旅哲学トークとは?世の中には旅行に関する情報があふれています。いかにしてマイルをためるか、上級会員になるかといった話題から高級ラグジュアリー体験記、はたまた、世界1周ブロク、その共通点として、やはり、旅行が嫌いな人はいないんだと思います。そのなかで、フューチャーブリッジ社として旅行に関する情報を提供したいと思いました。で、どんな情報を提供するか。それは私、長橋が面白いと思うコンテンツを提供することです。インバウンド向けトラベルサイトJapanJaponを運営している相部とは大学の同期でもう20年以上の付き合いですが、彼の旅行に対する知識、経験、そして、「旅哲学」というべき旅行に対する姿勢は余人を持って代えがたく、まさに、私が面白いと思うコンテンツでもあります。というわけで、不定期ではありますが、私が彼にインタビューするという形式で、「旅哲学」を少しでも味わっていただければと思います。
長橋
この間の第1回をふまえて、今回は第2回です。ここのところで気になる動きは?
相部
やっぱり、サーチャージだね。2月1日からサーチャージがいまのレンジからマックスのレンジになる。ヨーロッパ便だと片道で1.75万上がる。往復で3.5万だから影響は大きいね。この手の出費はバカにならない。あと、2019年1月から出国税(※)が1000円かかる、これはまあ、いろんな国が採用しているから、気にしない。日本より高い国の方が多いし、この手の税金を気にして、その国に行かないって思わない。
※出国税:正式名称『国際観光旅客税』、日本人ならびに外国人が出国時に一律1000円聴収する税金、2019年1月7日スタート。
長橋
フライトを早く抑えるのは大事ね。ホテルはどう?
相部
ホテルも同じ、鉄則は行くと決めたら、その場でホテルも予約すべき。少なくとも値段、空室状況は調べておく。早い方がレートも安いほうが多い。
相部
話が少し変わるけど、この間、某所にいったら、あるホテルがオーバーブッキングしていて、他のホテルにお客さんを回してた。客室のコントロールをうまくしないと、ホテルもオーバーブッキングをすることがある。こういうの結構あるんだよ。で、その場合、ホテル側も客層を見ていて、状況を理解いただけるような慣れた人、よく利用する人を他のホテルに回している。同業者間、ホテル同士で密な連携があるからできるんだよね。だから、そのホテルは、もうアネックス感覚で他のホテルを使ってる笑
長橋
オーバーブッキングといえば、先日、JALの国内線でオーバーブッキングからフライトがキャンセルとなる件が発生しました。こういう場合、どうすべき?
相部
飛行機のオーバーブッキングの考え方は日本と米国結構違うね。日本はわりときっちり予定通り移動したい。おそらく降機後の予定もあるからなのかな。米国ではオーバーブッキングした際に、300ドル払いますというオファーだとたいてい誰が手を上げる。乗らないことともらえる金額のトレードオフよね。米国の場合、そのオファーにのった方が得だと合理的に判断しているんだろうね。オレも、オーバーブッキングのオファーは日程的に調整できるようだったらオファーに乗るようにしているよ。
長橋
そういうところ、米国は合理的に考えるよね?
相部
そうそう。たとえば、米国の場合、アップグレードのスタンバイ待ちをディスプレイに出すんだよね。これだと、自分がどの順位にいて、アップグレードできるかできないかがわかる。希望を持てるのか、絶望的なのか笑。こういう目安は日本でも取り入れてほしいね。とくに、米国の場合、デルタ、UA、アメリカンの昔からのライバル同士、に加えてLCC(サウスウェスト、アラスカ航空、スピリット航空など)の競争が激しいこともあるからなのかな。
アップグレードのスタンバイ待ち (相部撮影)
相部
米国は、飛行機に毎日、毎週乗ってる人たくさんいるからね。長距離移動で基本鉄道は使わない。オレも大分出身だけど、東京にいくときは昔から飛行機、鉄道は使わない。
長橋
そういえば、最近、SQのシンガポール・ニューアークみたいな長距離フライトが増えました?
相部
最近は飛行機のエンジン性能・燃費の向上と機体の進歩もあって19時間のフライトも可能になっている。一昔前までは、航続距離が短かったから直行便の運航できる区間って限られていたんだよね。だから、直行できない場合は、途中の空港で給油経由してから、目的地まで飛んでいた。ただ、途中の経由地でも空港利用料がかかるので、需要の無い距離をムダには飛ばしてなかった。
相部
昔は、JALがブラジルのサンパウロまで直行で飛べないから、ニューヨーク経由で以遠権(※)を使って飛ばしてたね。もっと昔だと、南周りとかは点々と経由するとか、あと米国のキャリアだと何といってもパンナムね。直行便とか経由とかというよりは、世界一周航路、今はもうないけど、パンナム全盛期は凄かったね。
※以遠権:自国から相手国を経由して、相手国からさらに先にある別の国への区間についても営業運航を行なう権利のこと。安いチケットがでることが知られており、このフライトを以遠権フライトとも呼ぶ
相部
ちなみに、パンナム1便(PA1)は西廻りの世界一周。SQ1便は香港経由サンフランシスコね。どの航空キャリアでも1便はエース番号で、その会社の歴史とか気合が入っている便。JAL1便は羽田・サンフランシスコ、ANA1便は成田・ワシントン、UA1便はサンフランシスコ・シンガポールね。AA1はJFKからロス。
相部
経由間のフライトは安く出がちなのね。ビジネス、ファーストクラスを安く乗ってみるみたいな話では、この経由がよく出てくる。直行が増えてきているので、その恩恵が少なくなってきたね。
長橋
なるほどね。こうした経由や以遠権フライトを含めてフライトを組み立てるべしと。さて、日系の航空会社の話題と言えば、今年5月にANAがハワイにA380を就航させます。
相部
もともと、ANA自身はA380をオーダーしてないと思うんだけど笑。ANAにとっては勝負だと思うけど、JALの牙城のハワイに飛ばすのはアリだと思うね。便数は簡単に増やせないので、一機あたりの輸送量を増やすというのは。でもさ、A380って500人搭乗できるから、入国審査が大変ね。ただでさえ、ハワイの入国審査は混むのに。近い時間に着く、別の便でも余波があるだろうね。
長橋
ハワイがこれから盛り上げるね。で、ハワイのおすすめは?
相部
ハワイは物価が高いからね。物価が高いなかで、滞在コストをどう安くしながら楽しむかがコツなわけ。たとえば、ハワイのレストランで多いのがハッピーアワーね。だいたい4時くらいから6時くらい、夜だと10時以降もある。これははずせない。混んでない時間帯でもあるし。うまく利用したい。絶対行きたいレストランは必ず予約する。あと、ホールフーズのBOXみたいなスーパー利用も便利ね。サラダとかBOXにいっぱい入れても10ドル程度で安い。ワイキキなら、カラカウアよりクヒオ通りがいいね。安くてうまい店が多い。
長橋
ハワイのホテルを選ぶコツは?
相部
やっぱりね。鉄則は行くと決めたらなるはやで予約すべし。もうだいぶ前だけど、ホテルがウェブ予約対応してなかったときは、国際電話でFAXしていた。いまは直前にウェブで予約できるけど、事前に予約した方が安い。行くと決めたら、すぐホテルを予約する、これ鉄則ね。
長橋
リゾートといえば、ハワイだけでなく、ほかにもリゾートあると思うけど、やっぱりハワイがいい?
相部
やっぱ、断然ハワイだね。モルジブ、ボラカイ、ランカウイなどなどあるけど、トランジットが必要だし、空港が不便。直行便で行けるバリもいつも渋滞する。ちゃんとしたインフラがあって、快適に過ごせるのはやっぱりハワイだね。タイのリゾートもバンコクで経由が要るよね。プーケットにしても、サムイにしても。経験上、行きはともかく、帰りはめんどくさくなっちゃう笑。だから、最近見直しているのが、ほかに比べるところがあるとしたらタイのパタヤね。タイのスワンナプーム空港からバスで1時間くらい。そういう意味でここもいいところね。
長橋
パタヤはその昔米軍の保養地としてスタートしたところね。さて、今回はこのへんで。また次回よろしくお願いいたします。
編集後記旅哲学トーク第2回目は、ホテルの予約、オーバーブッキング、以遠権フライトなど多岐にわたりました。共通することがあるとしたら、楽しむためにはちゃんとプランニングすべしということかもしれません。今後取り上げてほしいテーマ、疑問、などありましたら、ご遠慮なく問い合わせフォームからお問い合わせください。